高度経済成長やバブル期の日本の勢いを感じさせる豪勢な店内装飾や、あの象徴的な螺旋階段、総じゅうたん敷きの店内。
やっぱりどこか異空間で異質で、おとぎ話と現実の境目に居るような、異国の王様の宮殿に迷い込んだかのような気持ちになります。
舞浜の遊園地なみに、建物から制服に至るまでコンセプトが徹底しているお風呂屋さんは全国的に見てもかなり稀だとお客様方は口を揃えて言うのですが、
ここで「桃香」や「おしん」や「蔵王」の出前を取ったり、タオルをえんえん畳み続けたり、二輪車をキッカケに仲良くなった子と世間話をしたりして日々を過ごしていると、なんか日常になってきて忘れちゃうんですよね、その異質さを。
久々に店内に足を踏み入れ、「こんなにエンタメ色の強い店だったんだ」と思い直せたのは今回の訪問の中ではかなり大きな発見でした。欲を言えば現役の時にもっと自覚的でありたかった。
お客様と対面する一階階段下の少し広いスペースに立ってみると、
支払いに追われてた訳でもないのにとにかく必死に働いてたあの数年間の、
ピリピリした空気感さえ蘇ってきます。